成長と安心を築く:国土交通省の令和6年度補正予算の全貌
令和6年度の補正予算が「国民の安心・安全と持続的な成長に向けた総合経済対策」(令和6年11月22日閣議決定)に基づき採択され、国土交通省は概要を発表いたしました。
今回の予算案では、三つの柱が示され、予算の配分が行われました。
「日本経済・地方経済の成長 ~全ての世代の現在・将来の賃金・所得を増やす~」
「物価高の克服 ~誰一人取り残されない成長型経済への移行に道筋をつける~」
「国民の安心・安全の確保 ~成長型経済への移行の礎を築く~」
内容については、以下となります。
<配分対象事業費>
- 総予算金額:6兆6,699億円
〜配分内訳〜
- 日本経済・地方経済の成長
~全ての世代の現在・将来の賃金・所得を増やす~ 2,779億円 - 物価高の克服
~誰一人取り残されない成長型経済への移行に道筋をつける~ 4兆5,438億円
- 国民の安心・安全の確保
~成長型経済への移行の礎を築く~ 1兆7,708億円
- 国庫債務負担行為(ゼロ国債)※ 775億円
※初年度の国費の支出がゼロで、年度内に契約を行うが国費の支出は翌年度に換算
<主な施策内容>
今回の補正予算の中には、次のような施策が含まれています。
1. インフラ整備の強化
道路、橋梁、トンネルの維持管理および新規建設の計画
2. 災害対応への充実
全国各地の防災対策が進められ、特に洪水や地震に対する備えの強化
3. 地域振興
地域経済を支えるため、地方交通インフラの整備や観光促進に関連した施策
4. 環境への配慮
持続可能な開発のため、グリーンインフラや省エネルギー対策
<予算内容>
3つの柱の中でも、特に「物価高の克服」に予算が配分されております。その内訳の一つとして、住宅局の対策である『子育てグリーン住宅支援事業』に充てられております。
内容としては、エネルギー価格などの物価高騰の影響を特に受けやすい子育て世帯などに対して「ZEH(ゼッチ)水準を大きく上回る省エネ住宅」の購入補助等が挙げられます。
省エネ住宅による生活費や住宅購入の負担軽減に繋がる施策と考えられます。また、フラット35の金利引き下げや住宅ローン減税といった施策も実施されております。
※ZEH(ゼッチ)(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)とは
「外皮の断熱性能等を大幅に向上させるとともに、高効率な設備システムの導入により、室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギーを実現した上で、太陽光発電設備等による再生可能エネルギーを導入することにより、年間の一次エネルギー消費量の収支がゼロとすることを目指した住宅」のことを指します。
<まとめ>
今回の補正予算では、インフラ整備に対する施策や住宅支援などが盛り込まれました。インフラ整備に関しては、全国的にも今後20年間で建設後50年以上を経過する施設の割合が加速的に高くなる見込みとなっております。一斉に老朽化するインフラを戦略的に維持管理・更新することが課題とされるでしょう。
その他にも、災害対策や地域振興に関する施策に関しても今後期待が寄せられます。
<参考>
・令和6年度国土交通省関係補正予算の配分について | 国土交通省
・社会資本の老朽化の現状と将来 - インフラメンテナンス情報 | 国土交通省
・ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)に関する情報公開について - 省エネ住宅 | 経済産業省 資源エネルギー庁
・ZEH・LCCM住宅の推進に向けた取組 | 国土交通省
助太刀総研 運営事務局
Sukedachi Research Institute