レポート

京都大学大学院工学研究科 金多・西野研究室との共同研究開始のお知らせ

建設業界における技能労働者(以下「職人」)の処遇及び労働環境の改善を目指し、共同で調査・研究を開始

建設業界に従事する全ての人たちを支えるマッチングプラットフォーム「助太刀」を運営する株式会社助太刀(以下 「助太刀」)は、京都大学大学院工学研究科 金多・西野研究室(建築学専攻・建築生産工学講座/建築社会システム工学分野、研究代表者 金多隆 教授)と「データを用いた技能労働者の実態把握」に関する共同研究契約を開始することをお知らせします。

共同研究の背景

日本の建設業界は約500万人の方々が従事しており、市場規模は60兆円を超える巨大な産業です。しかし、就労者の高齢化による職人の数の減少、重層下請け構造に起因する現場の職人への労働分配率の低さから得られる報酬水準も十分とは言い難く、新規入職者が減り続けています。その結果、建設業界では恒常的な人手不足が深刻な問題となっています。
日本社会の根幹を支える建設業界のこれらの課題に対して、建築生産システムとマネジメントに関して研究をされている京都大学の金多・西野研究室と共同で、職人のキャリアアップ、労働時間や賃金等の処遇、多重下請け構造等、建設業界の人手不足に起因する実態について調査・研究を行うことが、職人の処遇や労働環境の改善に資するものと考えています。
今回の京都大学との共同研究においては、当社が独自で得た建設業界に関するデータやアンケート調査の結果を提供し、研究内容を社会に対して広く発信すると共に運営サービスに有効活用することで、建設業界を魅力的で若者が憧れるような業界に発展させることに寄与して参ります。

研究スケジュールについて

令和5年7月頃に弊社サービス内でユーザー対象にアンケート調査を実施いたします。アンケートとしては技能労働者の「キャリアプラン」、「賃金実態」、「労働環境・労働時間」の実態について調査を行う予定です。
調査結果から考えられる課題を更なる研究テーマとして調査し、技能労働者の処遇及び労働環境の改善に繋がる研究として分析して参ります。
また、調査分析においては、助太刀が蓄積している利用データ等も用いて、統計的に研究を進めて参ります。


京都大学大学院工学研究科建築学専攻 金多・西野研究室
(金多 隆 教授・西野 佐弥香 准教授)のコメント


京都大学大学院工学研究科建築学専攻 金多・西野研究室は、株式会社助太刀との共同研究を開始することになりました。
本研究室は建築生産システムとマネジメントを専門分野としています。研究における問題意識のひとつとして、建設業界における担い手確保と技能労働者の処遇改善がありますが、各界における取り組みに関わらず、状況が改善したとは言えません。
理由のひとつは、約300万人にのぼる技能労働者が働く現場や業務は多岐にわたり、実態を把握することが困難であること、どのような取り組みが効果的であるのか正確に検討しづらいことです。
本共同研究では、助太刀アプリで収集されたマクロデータの分析や同アプリを用いたアンケート調査を実施し、全国各地の様々な年代・職種の技能労働者の属性や働き方について最新かつ正確な実態把握を目指すと共に、その成果を広く発信し、社会に還元していく所存です。
本共同研究が技能労働者の処遇改善、ひいては持続可能な社会の実現に資することを願ってやみません。

新着レポート

お問合せはこちらより

助太刀総研では、多様なアプローチによる共同研究を進めてまいります。
共同研究をご検討されたい研究者/研究機関/法人/その他団体の皆さまからのお問い合わせをお待ちしております。

お問合せはこちら

助太刀総合研究所の調査結果の利用に関しまして

  • 出所の明記など著作権法が定める「引用」の要件を満たした利用態様であれば、ご利用いただいてかまいません。
  • 著作権法上の引用の範囲を超えて利用される場合、別途ご連絡お願いいたします。
  • 出所につきまして、弊社名+記事名称(例1)を記載ください。Web媒体に関してはリンクを記載(例2)いただき、
    紙幅などで調査名が入りきらないケースなどは、社名のみ(例3)で問題ございません。

  1. (例1)出所:助太刀総合研究所 【2023年度】助太刀総研 建設業実態調査結果について
  2. (例2)【2023年度】助太刀総研 建設業実態調査結果について
  3. (例3)助太刀