レポート

【独自調査レポート】協力会社に選ばれる元請企業とは

はじめに
ーー「もらう仕事」から「選ぶ仕事」になっているのか?

建設業では、元請企業から一次、二次、三次以下の協力会社へと工事が発注される重層的な請負構造のもとで、多様な事業者が施工を担っている。現在も、元請企業が協力会社を選定し、工事を発注する構造は、建設業における基本的な取引形態の一つである。

こうした構造では、発注条件、工程設定、現場運営に関する判断が、元請企業や上位の請負企業に集まりやすい。従来、協力会社・職人は、提示条件について十分に交渉することよりも、受注の安定確保を優先せざるを得ない局面もあったと考えられる。

一方、昨今の建設業では、人手不足や高齢化、労務費・資材費などの上昇を背景に、建設業における競争力を左右する要素として、「いかに有能な協力会社・職人を確保し続けるか」の重要性が高まりつつある。実際に助太刀総研の運営母体であり、発注者と受注者をつなぐマッチングサービスを運営する助太刀には、協力会社や職人を集めたいという相談が途切れず寄せられている。

この建設業を取り巻く状況により、協力会社・職人側も、単に仕事量を確保するだけでなく、事業を継続し、適正な利益を確保できるかという観点から、提示される単価、工期、支払い条件、現場環境など、さまざまな条件を総合的に比較し、案件や取引先を見極める動きが増えてきているのではないかーー。

今回の調査は、こうした仮説を踏まえ、協力会社・職人による元請企業の選別がどの程度生じているのかを把握することを目的とした。具体的には、条件が合わない元請企業からの依頼を断る頻度、その理由、元請企業を判断する際の情報源、ならびに取引先に求める条件などをアンケートで取得した。

本レポートでは、上記調査データを元に、重層的な請負構造のなかで、協力会社・職人がどのような条件をもとに元請企業や案件をどの程度の頻度で選別しているのかを整理する。そのうえで、元請企業が協力会社・職人から継続的に選ばれるために、どのような取引条件や関係性が求められるのかを考察する。


調査概要

基本情報

  • 調査対象:建設業に従事する経営者、一人親方、個人事業主、会社従業員
  • 有効回答数:292件
  • 調査期間:2026年4月25日 ~ 2026年6月14日
  • 調査方法: 「助太刀」アプリ内におけるアンケート調査

※本調査では、回答者が日常的に取引または就業する発注元・上位企業を念頭に回答を得ています。本文中では、便宜上これらを総称して「元請企業」「元請け」と表記しています。
※設問により回答対象者は異なる。例えば取引条件や元請企業の選定に関する一部の設問は、元請企業や会社従業員を除く経営者、一人親方、個人事業主を対象としている。
※本調査は主に「助太刀」アプリ利用者を対象としたアンケートであり、建設業界全体の構成比や意識を直接的に代表するものではない。調査結果は、回答者の認識および経験に基づく傾向として解釈している。
※自由記述回答は匿名化のうえ、回答趣旨を損なわない範囲で、誤字脱字や表記を整えて掲載している。

本調査の回答者構成

はじめに、本調査に回答した建設業従事者の構成を確認する。以下の図1〜図4では、回答者の年齢、建設業の従事年数、雇用形態、現場入場時の請負階層を示す。

本調査には、現場経験を有する中堅・ベテラン層を中心に、一人親方、個人事業主、法人経営者、会社従業員など、多様な立場の建設業従事者から回答が寄せられた。

※以下の構成比は本調査の回答者構成を示すものであり、建設業界全体の就業者構成を表すものではない。


約半数が、条件に応じて元請企業からの依頼を断っている

直近1〜2年において、条件が合わない元請企業からの依頼を断る頻度を5段階で尋ねたところ、「時々ある」「よくある」「頻繁にある」と回答した人は合計47.9%となった。

この結果から、回答者の約半数が、提示される条件に応じて元請企業からの依頼を断る経験を持つことが分かる。

この結果は、元請企業が協力会社を選定するだけでなく、協力会社・職人側も、依頼内容や取引条件を踏まえて受注先を選別する場面が生じている可能性を示している。

しかし、こうした元請企業の選別行動は、どのような属性を持つ回答者に見られるのだろうか。

元請企業からの依頼を断る行動は、経験豊富なベテラン層や、年収帯が高く受注上の余力を持つ層、あるいは上位の請負階層にいる事業者に限られるのか、次に確認した。

元請からの依頼を断るのは、ベテランや高所得層に限られるのか

依頼を断る経験がない層とある層について、年齢、建設業従事年数、請負階層、年収帯の分布を比較した。

その結果、年齢、建設業従事年数、請負階層については、「依頼の断りなし層」と「依頼の断りあり層」の間に目立った構成差は確認されなかった。

一方、年収帯については、「依頼の断りあり層」で「600万円以上〜800万円未満」が34.6%となり、「依頼の断りなし層」の25.9%を8.7ポイント上回った。また、年収600万円以上の回答者は、「依頼の断りあり層」では64.0%、「断り無し層」では52.4%となっており、「依頼の断りあり層」はやや高所得側に分布する傾向がみられた。

ただし、「依頼の断りあり層」には年収200万円以上〜400万円未満の回答者が14.0%、400万円以上〜600万円未満の回答者が18.4%含まれているほか、800万円以上〜1,000万円未満の回答者も16.2%を占めている。元請企業を選別する行動は、年収が特に高い一部の回答者だけに限られるものではなく、幅広い年収帯に見られる。

少なくとも本調査の回答者においては、元請企業を選別する行動は、年齢、経験年数、請負階層の特定の属性に明確に限定されるものではなかった。年収帯が高い層で選別頻度がやや高い傾向はみられるものの、条件が合わないと判断した場合には、幅広い立場の協力会社・職人が依頼を断り、取引先を見直す行動を取り得ることがうかがえる。

このように、元請企業を選別する行動が特定の属性に限られないとすれば、その判断を左右しているのはどのような取引条件なのだろうか。次に、依頼を断る主な理由を確認する。


断る最大の理由は「低単価」。ただし、単価だけではない

元請企業からの依頼を断ったことがある回答者に対し、その判断に至った主な理由を複数回答で尋ねた。

最も多かったのは「単価(労務費)が低い」で、83.0%だった。次いで、「工期スケジュールがタイト」が38.0%、「支払い条件が悪い」が35.0%、「担当者の段取り・態度が悪い」が31.0%と続いた。

「単価(労務費)が低い」が最も多い結果となったことは、協力会社・職人が諸経費を負担しながら施工を担う以上、採算を確保できるかどうかを受注判断の基本条件としていることを示している。単価が依頼を断る理由として上位に挙がること自体は、一定程度想定される結果といえる。

一方で、単価以外にも工期スケジュール、支払い条件、担当者の段取り・態度が、依頼を断る理由として一定の割合を占めた。

このことから、協力会社・職人は単価のみを基準に依頼の可否を判断しているのではなく、施工を無理なく進められるか、支払いに不安がないか、現場で円滑に連携できるかなどの条件も含め、取引全体を評価していることがうかがえる。

元請企業にとって、適正な単価の提示は前提となる条件である。そのうえで、適正な工期、確実な支払い、円滑な現場運営をどのように整えるかが、協力会社・職人から継続的に選ばれるための重要な要素になると考えられる。

では、元請企業からの依頼をより頻繁に断っている層では、どのような条件が相対的に強く意識されているのだろうか。次に、依頼を断る頻度別に、その理由を比較する。

依頼を断る頻度が高い層では、現場担当者の対応も重視される

「よくある」「頻繁にある」と回答した「依頼を頻繁に断る層」に限定し、依頼を断る理由を全回答者の傾向と比較した。

その結果、「単価(労務費)が低い」と回答した人は91.3%となり、全体の83.0%を8.3ポイント上回った。依頼を頻繁に断る層においても、低単価は最も大きな選別理由となっている。

また、「担当者の段取り・態度が悪い」と回答した人は50.0%となり、全体の31.0%を19.0ポイント上回った。

この結果は、依頼を断る頻度が高い層ほど、単価だけでなく、現場担当者による段取りや日常的な対応も、取引先を選別する際の重要な判断材料として捉えている可能性を示している。

現場担当者の段取りには、施工前の情報共有、工程調整、資材搬入のタイミング、他業種との取り合い、仕様変更への対応、作業指示などが含まれる。こうした対応が十分に機能しない場合、協力会社・職人側では、待機時間の発生、手戻り、人員の再調整、他現場への影響などにつながる可能性がある。

元請企業にとって、協力会社との関係は契約条件だけで決まるものではない。現場担当者が日々の工程や施工条件をどのように調整し、協力会社とどのようにコミュニケーションを取るかも、継続的に選ばれるための重要な要素になると考えられる。

なお、現場担当者に関連する判断基準に関しては、本調査で重要な論点として浮かび上がったため、後日公開する分析レポートで詳細に深掘りすることとする。


単価の先にある、元請企業選びの判断軸

本調査では合わせて、会社従業員を除く回答者に対して、「元請企業を選ぶ際に、単価以外で最も重視する要素」を尋ねた。

最も多かったのは「支払いサイトの早さ」で25.0%だった。次いで、「現場監督の段取りの良さ」が21.0%、「価格交渉への柔軟な対応」が20.0%、「企業の安定性」が18.0%、「工期の適正さ」が14.0%となった。

「支払いサイトの早さ」が最も多かったことは、協力会社・職人にとって、提示される受注額だけでなく、入金までの期間が資金繰りや日々の事業運営に関わる重要な条件であることを示している。特に、人件費、外注費、材料費などの支出が先行する事業者にとって、支払い条件は取引先を評価するうえで実務的な意味を持つ。

一方で、2位以下には、現場監督の段取り、価格交渉への柔軟性、企業の安定性、工期の適正さが続いており、上位項目の差は大きくない。協力会社・職人が元請企業を選ぶ際には、支払いサイトだけでなく、施工を円滑に進められるか、条件変更やコスト上昇について協議できるか、継続的に取引できる相手かなど、複数の観点が重視されていることがうかがえる。

本調査の結果からは、元請企業が協力会社・職人との取引条件を考える際、支払いサイトだけを単独で見直すのではなく、工期、現場の段取り、価格交渉、継続取引への安心感なども含めて捉えることが、有効な視点となる可能性が示された。

では、協力会社・職人は、支払い条件、工期、現場の段取り等の取引条件を、取引を検討する段階でどのように見極めているのだろうか。次に、元請企業の信頼性や現場環境に関する情報を、どこから得ているかを確認する。

元請の評判は、現場の外でも決まる

取引する元請企業が信頼できるか、また現場環境が良いかを判断する際に、どのような情報源を活用しているかを尋ねた。

最も多かったのは「職人仲間の口コミ」で59.6%だった。次いで、「過去の取引経験」が57.2%となった。元請企業のWebサイトやSNSは23.6%、マッチングアプリの評価は19.9%、現場監督の評判は18.2%だった。

「過去の取引経験」は、既存または過去の取引先との関係を継続するかどうかを判断するための、直接的な評価材料と考えられる。

一方、新たに取引を検討する元請企業を見極める際には、「職人仲間の口コミ」が最も多い。WebサイトやSNS、マッチングアプリの評価、現場監督の評判も、候補企業を探す際や比較する際の情報源として活用されている可能性がある。

本調査の結果からは、協力会社・職人が、既存取引先については実際の取引経験をもとに評価し、新規取引先については口コミやデジタル上の情報を含む複数の情報源を参照していることがうかがえる。

こうした情報源の使い方は、回答者の年齢層によって異なるのだろうか。次に、30〜40代と50〜60代で、元請企業を判断する際の情報源の活用状況を比較する。

30〜40代では、過去の取引経験に依存しない複数情報源の活用が多い

元請企業を判断する際の情報収集タイプについて、30〜40代と50〜60代で比較した。

その結果、30〜40代では、「過去の取引経験を除いた複数の情報源」を活用する回答者が34.7%となり、50〜60代の18.8%を15.9ポイント上回った。

一方、50〜60代では、「過去の取引経験のみ」で判断する回答と、「職人仲間の口コミのみ」で判断する回答が、それぞれ23.4%となった。いずれも30〜40代を上回っている。

30〜40代では、過去の取引経験のみに依存せず、口コミ、企業のWebサイト・SNS、マッチングアプリの評価、現場監督の評判などを複数組み合わせて、元請企業を見極める回答者が相対的に多いことが分かる。

これに対し、50〜60代では、過去の取引経験や職人仲間の口コミを主軸に、現場経験に近い単一の情報源を重視する回答が相対的に多い。

なお、Webサイト・SNSのみに限定する回答、マッチングアプリのみに限定する回答は、いずれの年齢層でもまだ限定的である。このことから、デジタル上の情報は、単独で元請企業を判断する決定的な材料というより、口コミや過去の取引経験などと組み合わせて活用される情報の一つである可能性が示唆された。

こうした情報収集を通じて形成される元請企業への評価は、協力会社との関係性に対する認識とどのように結びついているのだろうか。次に、元請企業が協力会社を大切にする姿勢について、回答者がどのように捉えているかを確認する。


約3人に1人が、元請企業の姿勢に改善を感じている

5年前と比較して、元請企業の「協力会社を大切にする姿勢」が変化したと感じるかを尋ねた。

その結果、「変わらない」が50.0%で最も多かった。一方、「良くなった」と「非常に良くなった」の合計は30.8%となり、「悪くなった」と「非常に悪くなった」の合計19.2%を上回った。

協力会社・職人の約3人に1人が、元請企業の姿勢に改善を感じていることは注目される。元請企業側による関係づくりや日常的な対応の見直しが、協力会社・職人側にも一定程度認識されている可能性がある。

一方で、「変わらない」とする回答も半数を占めている。協力会社との関係性を見直し、その変化を協力会社側に実感してもらえている元請企業と、従来の取引慣行から大きな変化がみられない元請企業との間で、対応の差が生じている可能性がある。

今後、人材確保や協力会社との継続的な関係構築が重要性を増すなかで、この差がどのように広がるのか、あるいは業界全体にどのように波及していくのかを注視する必要がある。

では、こうした関係性に対する認識は、労務費や単価引き上げなどの取引条件について、元請企業と協議できる環境にも表れているのだろうか。次に確認する。

労務費・単価引き上げに関する協議には差がある

協力会社・職人における元請企業の取引係を考えるうえでは、労務費や単価の引き上げについて、元請企業とどの程度対話・協議ができるかも重要な論点となる。

そこで、会社従業員を除く回答者に対し、物価高騰などに伴う労務費・単価引き上げについて、元請企業から提案や相談があったかを尋ねた。

その結果、「元請企業側から引き上げ提案があった」または「相談に応じてもらえた」と回答した人は、合計52.3%となった。

一方で、「相談できる環境ではない」または「相談したが受け入れられなかった」と回答した人は、合計47.7%となった。

労務費・単価引き上げについて、元請企業との間で一定の協議や提案が行われている回答者が半数を超える一方、約半数は協議が困難、または協議が受け入れられない状況にあることが分かる。

この結果は、物価高騰や労務費上昇への対応ならびに協力会社との対話のあり方には、元請企業ごとに差がある可能性を示している。

では、労務費・単価引き上げについて協議できる環境があることと、協力会社が感じる元請企業との関係性には、どのような関連があるのだろうか。次に、元請企業が協力会社を大切にする姿勢への評価と、労務費・単価引き上げに関する協議状況を比較する。

単価協議のしやすさと、協力会社からの評価には関連がみられる

労務費・単価引き上げに関する協議状況と、元請企業が「協力会社を大切にする姿勢」への評価を比較した。

その結果、労務費・単価引き上げについて「相談に応じてもらえた」または「元請企業側から引き上げ提案があった」と回答した層では、元請企業の協力会社を大切にする姿勢が、5年前と比べて「良くなった」「非常に良くなった」と評価した人は41.3%となった。

これに対し、「相談できる環境ではない」または「相談したが受け入れられなかった」と回答した層では、同様の回答は19.1%だった。両者には22.3ポイントの差がみられる。

労務費・単価引き上げについて対話や協議ができると回答した層では、元請企業の協力会社対応に改善を感じる割合が相対的に高いことが分かる。

ただし、労務費について十分に相談できない、または相談が受け入れられなかった層においても、19.1%は元請企業の姿勢が良くなったと評価している。このことから、協力会社との関係性に対する評価は、労務費・単価の協議の可否だけで決まるものではないと考えられる。

また、本調査の結果だけから、労務費の協議がしやすいことが関係性の改善をもたらしたのか、もともと良好な関係が築かれている元請企業であるために協議もしやすいのかを判断することはできない。

現場の段取り、日常的なコミュニケーション、支払い、追加・変更時の対応、現場環境など、複数の要素が協力会社との関係性に影響している可能性がある。そのうえで、労務費・単価について相談・協議できる環境は、元請企業と協力会社の取引関係の質を示す指標の一つとなり得る。

では、協力会社・職人はどのような元請企業を「今後、選ばれる企業」として捉えているのだろうか。


職人・協力会社に選ばれる元請企業に必要なこと

単価に加え、対等性と現場運営が問われる

今後、「職人に選ばれる元請企業」になるために最も必要なことを尋ねたところ、最も多かったのは「更なる単価アップ」で40.4%だった。次いで、「対等なパートナーシップへの意識転換」が30.8%、「圧倒的な現場段取り力」が18.2%となった。

「更なる単価アップ」が最も多かったことから、協力会社・職人に選ばれるための基本条件として、適正な単価や収益性の確保が重視されていることが分かる。

一方で、「更なる単価アップ」以外の項目を選んだ回答者は59.6%を占めた。単価は重要な条件であるものの、協力会社・職人が元請企業を評価する際には、対等な関係性、現場の段取り、現場環境、事務負担なども含め、複数の要素が判断材料となっている可能性がある。

本調査の結果からは、元請企業が協力会社・職人から選ばれるためには、単価の見直しに加え、日常的な対話、現場運営、協力会社との関係性をどのように整えるかも、重要な視点となる可能性が示されている。

高頻度選別層では、単価と対等な関係性が近い水準で重視される

元請からの依頼を断ったことがある層と無い層で、「職人に選ばれる元請企業になるために最も必要なこと」を比較した。

「断り無し層」では、「更なる単価アップ」が42.8%で最も多く他との差も開いた。

一方、「断りあり層」では、「更なる単価アップ」が37.9%、「対等なパートナーシップへの意識転換」が34.3%とその差が縮み、両者の差は3.6ポイントにとどまっている。

依頼を断った経験のある層でも、単価アップが最も多い点は全体と共通している。ただし、「対等なパートナーシップへの意識転換」も近い水準で選ばれている。

このことは、元請企業を選別する経験を持つ回答者にとって、単価だけでなく、協力会社としてどのように扱われるか、意見や相談を受け止めてもらえるかの関係性も、元請企業を評価する重要な条件となっている可能性を示している。

元請企業が協力会社・職人から継続的に選ばれるためには、協力会社を単なる外注先として捉えるのではなく、施工品質、安全、工程、顧客満足をともに支えるパートナーとして位置づける視点が、有効な示唆となる。


協力会社に選ばれる企業へ

本調査では、条件が合わない元請企業からの依頼を「時々ある」以上の頻度で断る回答者が47.9%となった。協力会社・職人が、提示された仕事を一律に受けるのではなく、単価、工期、支払い条件、現場運営などを踏まえて、案件や取引先を選別する場面が一定程度生じていることがうかがえる。

依頼を断る理由として最も多かったのは低単価だった。一方で、工期スケジュール、支払い条件、現場担当者の段取り・態度も、取引継続の判断に影響する要素として挙げられた。さらに、元請企業を選ぶ際には、支払いサイトの早さ、現場監督の段取り、価格交渉への柔軟性、企業の安定性なども重視されている。

協力会社・職人が見ているのは、単価だけではない。「無理なく施工できるか」「継続的に取引できるか」「問題が起きた際に相談できるか」など、取引全体の条件を見極めている可能性がある。

また、元請企業が協力会社を大切にする姿勢が5年前と比べて「良くなった」「非常に良くなった」と回答した人は30.8%だった。約3人に1人が改善を実感していることは、協力会社への向き合い方や取引関係の見直しに、元請企業間で差が生じている可能性を示している。労務費・単価引き上げについて協議できる層で、こうした改善実感が相対的に高かった点も、その一端といえる。

すでに一部の元請企業では、単価改定への対応、日常的な対話、現場の段取り、協力会社との関係性の見直しが、協力会社・職人側にも認識され始めている。今後、元請企業間の差は、協力会社を確保できるかではなく、協力会社から優先的に選ばれるかという差として表れていく可能性があることが、本調査から示された。


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  1. (例1)出所:助太刀総合研究所 【2023年度】助太刀総研 建設業実態調査結果について
  2. (例2)【2023年度】助太刀総研 建設業実態調査結果について
  3. (例3)助太刀